闇夜に吠える

昨晩、早夜は事務所の寝室で一夜を過ごした。あれほど様々なゴタゴタの後でひどく寝付けないかと危惧していたが、割りと目蓋が閉じるのは早かった。
寝室の扉をあけると何やらまわりの人間が騒がしく奔走している。
何かあったのだろうか。
私の記憶が正しければ、今日は週刊誌のインタビューの撮影だったはず。
『早夜。』
ふと、誰かが早夜を呼ぶ声がした。声に反応し早夜が背後を振り替える。
そこにはマネージャーの若野が立っていた。
『これは?』
『とりあえず見るんだ。話は後だ。』
若野は事務所のPCのモニターに目を映した。
そこには、早夜のプロフィールが記されている。
しかし、その下をスクロールしてみると明らかに不自然なリンク先が存在していた。

『これは…』

(若林早夜拉致計画書) 
『おかしい、立て続けにこの半年間は奇妙な出来事が起きすぎている。
半年前のコンサートホールの原因不明の爆発事故。
そして、今回は…いったい何がねらいだというんだ。』
若野は思考を張り巡らす、こんな小さな事務所が恨みをかわれる筋は見当たらない。しかし…
『ちょっと入り口に出てきていいですか?』
『…わかった。すぐに戻れ。』
早夜は、カバンの中から自分の携帯電話を手にとった。
…to be continued.