『ワタシは、貴方をうるおす海のような存在でいたかった。 貴方が疲れた時にふと目を上げたら、そこに見える海のように、なだらかで、なめらかで。 ワタシは、貴方を照らす道になりたかった。貴方がひとつひとつを、ゆっくり踏みしめていけるやわらかい未来…
またこの夢だった。 いつも自分の不安を嘲笑うように誘い来る夢魔。 この変わらぬ闇に包まれた何かが 渓の心を深く食い入っていた。『なぁに?渓?』 美奈はセミショートの薄い黒茶色の髪をさらりとかきあげて渓に微笑む。 『いや、なんでもないよ。』 渓の…
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