2007-05-03から1日間の記事一覧

とこしえの記憶・3

由香里は支えが無くなった一本の花のように力を失い、気を失っていた。 南はそっと由香里の額に片手を添えるように触れた。すると南の精神力に共鳴するように鼓動が脈をうつように繋がり律動する。 由香里の精神とバイパスをつないでいくように、由香里の心…

とこしえの記憶・2

『由香里っ…!』 漆黒の衣に身を包んだ南を止めたのは意識を不意に取り戻した由香里であった。『殺さないで… その人を‥先生を、殺さないで… お願いだから…』 由香里の哀願に南の瞳が収斂する。 迷い…錯乱… だが決してそれだけでは語れない感情が南を襲う。 …